医療費控除で損しない!確定申告の完全ガイド|2025年版
はじめに
「病院代がかさんで家計が厳しい…」「医療費控除って聞いたことあるけど、よくわからない」――そんな悩みを抱えていませんか?
実は、年間の医療費が10万円を超えれば、確定申告で税金が戻ってくる可能性があります。 しかし、多くの方が「面倒くさい」「どうせ大した金額じゃない」と諦めてしまっています。
年間20万円の医療費があった場合、年収500万円の方なら約2万円、年収800万円の方なら約3万円の税金が戻ってきます。確定申告の手続きは意外と簡単で、オンラインなら30分程度で完了します。
この記事で分かること:
- 医療費控除の基本的な仕組み
- 対象となる医療費・ならない医療費
- セルフメディケーション税制との違い
- 確定申告の具体的な手順
- よくある疑問を完全解決
医療費控除とは?
基本的な仕組み
医療費控除は、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が一定額を超えた場合、その超えた金額を所得から控除できる制度です。
控除額の計算式:
医療費控除額 = 実際に支払った医療費の合計 - 保険金などで補填される金額 - 10万円(※)
※総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%
控除額の上限:200万円
医療費控除でいくら戻る?
医療費控除額 × 税率 = 還付される税金
年収別の税率(概算):
| 年収 | 所得税率 | 住民税率 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 5% | 10% | 15% |
| 500万円 | 10% | 10% | 20% |
| 700万円 | 20% | 10% | 30% |
| 1,000万円 | 23% | 10% | 33% |
具体例
年収500万円、医療費30万円の場合:
医療費控除額 = 30万円 - 0円 - 10万円 = 20万円 還付金 = 20万円 × 20% = 40,000円
年収700万円、医療費50万円、保険金10万円受け取りの場合:
医療費控除額 = 50万円 - 10万円 - 10万円 = 30万円 還付金 = 30万円 × 30% = 90,000円
対象となる医療費・ならない医療費
対象となる医療費(✅)
医療費控除の対象は、治療目的の支出です。
1. 診察・治療費
- 医師・歯科医師による診療費
- 治療・療養のための医薬品代
- 入院費用(食事代含む)
- 治療のためのマッサージ・はり・きゅう・柔道整復師の施術費
2. 通院費
- 電車・バスなどの公共交通機関の運賃
- タクシー代(電車・バスが使えない場合のみ)
- 付き添いの交通費(子どもや病人の付き添いが必要な場合)
⚠️ 自家用車のガソリン代・駐車料金は対象外
3. 医薬品
- 病院で処方された薬
- ドラッグストアで購入した風邪薬・胃腸薬など(治療目的)
- 絆創膏・消毒薬(治療のため)
4. 歯科治療
- 虫歯・歯周病の治療費
- 入れ歯・差し歯・金歯
- 子どもの歯列矯正(発育段階で必要と認められる場合)
- 大人の歯列矯正(噛み合わせ治療など機能改善が目的)
5. 妊娠・出産
- 妊婦健診費用
- 分娩費用
- 入院費用
- 不妊治療費用
- 人工授精・体外受精の費用
6. 介護サービス
- 介護保険の対象となる訪問看護
- 訪問リハビリテーション
- デイサービス(医療系のみ)
- ショートステイ(医療系のみ)
7. その他
- コンタクトレンズ・メガネ(医師の処方によるもの)
- 松葉杖・車椅子のレンタル費用
- 在宅療養のための医療機器レンタル
対象外の費用(❌)
1. 予防・健康増進
- 健康診断費用(異常が見つからなかった場合)
- 人間ドック(異常が見つからなかった場合)
- 予防接種(インフルエンザ、コロナワクチンなど)
- サプリメント・栄養ドリンク
✅ ただし例外: 健康診断で重大な病気が見つかり、引き続き治療した場合は対象
2. 美容目的
- 美容整形
- 歯のホワイトニング
- 大人の歯列矯正(美容目的)
- 美容目的のレーシック手術
✅ ただし例外: 治療目的のレーシック(強度近視など)は対象
3. 出産・育児
- 里帰り出産の交通費(母親のみ)
- 紙おむつ代(大人用の介護用は医師の指示があれば対象)
- ベビー用品
4. その他
- 差額ベッド代(本人の都合による個室利用)
- 医師への謝礼金
- 診断書作成料
- 自家用車のガソリン代・駐車料金
判断に迷うケース
| 項目 | 対象 | 条件 |
|---|---|---|
| メガネ・コンタクト | △ | 医師の処方箋がある場合のみ |
| 健康診断 | △ | 異常が見つかり治療した場合のみ |
| 人間ドック | △ | 同上 |
| レーシック | △ | 治療目的なら○、美容目的なら× |
| 差額ベッド代 | △ | 医師の指示なら○、希望なら× |
| 歯列矯正(大人) | △ | 機能改善目的なら○、美容目的なら× |
| マッサージ | △ | 医師の指示・治療目的なら○ |
セルフメディケーション税制との違い
セルフメディケーション税制とは?
年間12,000円を超えるスイッチOTC医薬品の購入で税控除を受けられる制度です。
医療費控除との選択適用(どちらか一方のみ)です。
比較表
| 項目 | 医療費控除 | セルフメディケーション税制 |
|---|---|---|
| 適用基準 | 年間医療費10万円超 | 年間OTC医薬品12,000円超 |
| 控除上限 | 200万円 | 88,000円 |
| 対象 | すべての医療費 | スイッチOTC医薬品のみ |
| 健診等の受診 | 不要 | 必要(健康診断・予防接種等) |
| 併用 | 不可 | 不可 |
どちらを選ぶべき?
医療費控除を選ぶべき人:
- 年間医療費が20万円を超える
- 入院・手術など高額な医療費がかかった
- 家族の医療費も多い
セルフメディケーション税制を選ぶべき人:
- 年間医療費は10万円未満だが、市販薬を多く購入している
- 健康診断を毎年受けている
- 慢性的な症状で市販薬を常用している
スイッチOTC医薬品の例
- 風邪薬:パブロン、ルル、コンタック
- 胃腸薬:ガスター10、ブスコパン
- 解熱鎮痛薬:ロキソニンS、バファリンプレミアム
- 鼻炎薬:アレグラFX、アレジオン
- 湿布薬:ロキソニンテープ、フェイタス
✅ 見分け方: パッケージに「セルフメディケーション税控除対象」のマークがある
医療費の集計方法
1. 領収書・レシートを保管
保管すべきもの:
- 病院・歯科医院の領収書
- 調剤薬局の領収書
- ドラッグストアのレシート(医薬品)
- 通院の交通費メモ(日付・区間・金額)
保管期間:5年間(税務署から求められた場合に提示)
2. 医療費集計フォーム・医療費通知を利用
医療費集計フォーム(国税庁):
- Excelファイルをダウンロード
- 医療を受けた人・病院・金額を入力
- 自動で合計を計算
医療費通知(健保組合から送付):
- 年1〜2回、健康保険組合から送られてくる
- 病院での支払額が記載
- そのまま添付すれば領収書が不要(一部例外あり)
3. 家族分も合算できる
生計を一にする家族の医療費を合算できます。
- 同居の家族
- 別居でも仕送りしている子ども・親
- 共働きの夫婦
節税のポイント:
- 所得が高い人(税率が高い人)が申告すると還付金が多い
- 夫婦どちらでも申告できるので、税率を比較して決める
確定申告の手順
方法1:e-Tax(オンライン)※おすすめ
メリット:
- 自宅で完結
- 24時間いつでも申告可能
- 添付書類の提出が不要(医療費通知利用の場合)
- 還付金が早い(3週間程度)
必要なもの:
- マイナンバーカード
- スマホまたはICカードリーダー
- パソコン(スマホでも可)
手順:
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセス
- https://www.keisan.nta.go.jp/
- マイナポータル連携(任意)
- 医療費通知データを自動取得
- 省力化できるので推奨
- 医療費控除の入力
- 「医療費集計フォーム」から読み込み、または
- 「医療費通知」を利用、または
- 手入力
- その他の情報を入力
- 源泉徴収票の内容
- その他の控除(生命保険料控除など)
- マイナンバーカードで送信
- スマホのマイナポータルアプリで読み取り
- または、ICカードリーダーで送信
方法2:税務署で申告
手順:
- 必要書類を準備
- 源泉徴収票
- 医療費の領収書または医療費通知
- 保険金の支払通知書(該当者のみ)
- 通帳(還付金振込先)
- 印鑑
- マイナンバーカードまたは通知カード
- 確定申告書を作成
- 税務署で用紙をもらう、または
- 国税庁サイトから印刷
- 税務署に提出
- 窓口に持参、または
- 郵送
⚠️ 混雑注意: 2月16日〜3月15日は確定申告期間で大混雑
方法3:郵送
手順:
- 国税庁サイトで確定申告書を作成
- 印刷
- 必要書類を同封
- 税務署に郵送
宛先: 住所地を管轄する税務署
還付金の受取
還付金額の確認
確定申告書の「還付される税金」欄に記載されます。
振込時期
e-Tax: 申告から約3週間
郵送・窓口: 申告から約1〜2ヶ月
振込先
申告時に指定した本人名義の銀行口座に振り込まれます。
よくある質問(FAQ)
Q1. サラリーマンでも確定申告は必要?
はい。医療費控除は年末調整では対応できないため、確定申告が必要です。
Q2. 過去の医療費も申告できる?
はい。5年前まで遡って申告できます。
例:2025年1月に2020年分を申告可能
Q3. 領収書を紛失した場合は?
医療費通知があればOKです。
医療費通知もない場合は、病院に「支払証明書」を発行してもらう(有料の場合あり)。
Q4. 家族の医療費を合算できる?
はい。生計を一にする家族(同居または仕送りしている)の医療費を合算できます。
Q5. ふるさと納税と併用できる?
はい。ただし、ふるさと納税の「ワンストップ特例」を利用している場合、確定申告をするとワンストップ特例が無効になるため、ふるさと納税分も確定申告で申告する必要があります。
Q6. 保険金を受け取った場合は?
保険金は医療費から差し引きます。
注意: 保険金は「その治療にかかった医療費」のみから差し引く(他の医療費から引く必要はない)
例:入院で30万円の医療費、保険金50万円受取
→ この入院の医療費は0円(マイナスにはならない)
→ 他の医療費10万円はそのまま対象
Q7. 医療費10万円ギリギリ超えない…どうすれば?
- 家族の医療費も合算できているか確認
- 通院の交通費を忘れていないか確認
- 市販の医薬品も対象
- 総所得200万円未満なら、10万円以下でも対象の可能性
Q8. 確定申告を間違えた場合は?
訂正申告(更正の請求) ができます。
申告期限内なら訂正申告、期限後なら更正の請求(5年以内)。
まとめ:医療費控除で賢く節税
医療費控除の完全ガイドを解説しました。
📌 重要ポイント:
- 年間医療費10万円超で対象(総所得200万円未満なら5%超)
- 家族の医療費も合算できる(所得が高い人が申告すると有利)
- e-Taxなら自宅で簡単に申告(30分程度で完了)
- 5年前まで遡って申告可能(過去分も忘れずに)
- 医療費通知があれば領収書不要(保管は5年間推奨)
年間医療費別の還付金目安(年収500万円の場合):
- 医療費15万円 → 還付金1万円
- 医療費20万円 → 還付金2万円
- 医療費30万円 → 還付金4万円
- 医療費50万円 → 還付金8万円
今日からできること:
- 医療費の領収書・レシートを保管開始
- 医療費通知を確認・保管
- 通院の交通費をメモ
- 過去5年分の医療費を確認
確定申告は難しくありません。e-Taxなら自宅で簡単に完了します。医療費がかさんだ年は、ぜひ医療費控除を活用して、賢く節税しましょう!
関連する便利ツール
- 所得税計算ツール - 医療費控除を適用した所得税を計算
- 手取り額計算ツール - 年収から手取り額を自動計算
- ふるさと納税限度額計算 - 確定申告での併用もOK
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